庭の模様直し
庭の模様直しを一つ手掛けると新庭(あらにわ)五つ程造り上げたと同じ力量がつくと、巧みな庭師の言い伝えがあります。
立派な石材がその値打ちを出せないでいる庭
見事な樹形が暴れてしまっている庭
狭い庭がより狭く感じられる庭
ただ広いと感じるだけで見せ場のない庭
一日中家人からその存在を忘れられている庭
石屋の置場、あるいは植木畑のように庭園材料がただあるというだけの庭
庭にある諸材料を上手に生かし、心和む庭に造りかえることは熟練した技をもつ庭師にとっても、安易な妥協が許されない真剣な気構えが必要です。
造り直した後で、前の庭の方が良かった等ということは勿論論外ですが、変わり映えがしないとか、既存材料の使い方に無理があり、石や植木が身をよじって嫌がっているようでは模様直しの価値がでません。私は模様直しを数多く手掛けてきましたが、依頼を受ける度に同じ緊張感をおぼえます。
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